霧に包まれた寂れたアメリカの田舎町。そこに足を踏み入れた私立探偵は、ただ一人の行方不明者を追うはずだった。しかし、町は静かに、容赦なく牙をむいてくる。
『シルバーパインズ』(原題:Silver Pines)は、2026年10月にTeam17から発売された、メトロイドヴァニア要素を強く持つサバイバルホラーだ。プレイヤーは私立探偵レッド・ウォーカーとなり、失踪したミュージシャン・エディ・ベルベットの行方を追う。限られた弾薬と体力、狭いインベントリ、予測不能な敵配置、そして鍵や道具を手に入れることで徐々に広がっていくマップ。クラシックなサバイバルホラーの緊張感と、探索の自由度が融合した作品である。
本記事では、ゲームの基本システムから推奨ルート、主要エリアの進め方、パズルの解き方、ボス戦の対策、エンディング分岐までを徹底的に解説する。初めてのプレイヤーでも迷わず進められるよう、実務的な情報を中心にまとめた。
シルバーパインズとはどんなゲームか
シルバーパインズは横スクロール型の2.5Dサバイバルホラーだ。開発はスウェーデンとノルウェーを拠点とするWych Elm、パブリッシャーはTeam17。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic)、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2。日本語にも対応している。
物語の舞台は、半ば打ち捨てられた小さな町シルバーパインズ。プレイヤーは私立探偵としてこの町に到着し、エディ・ベルベットの捜索を開始する。調査を進めるうちに町の暗い過去が浮かび上がり、現実と悪夢が交錯するような展開へと変わっていく。
ゲームの特徴は大きく三つある。
第一に、資源管理の厳しさだ。弾薬、回復アイテム、懐中電灯のバッテリーはどれも限られている。敵を全て倒そうとすればすぐに弾が尽きる。逃げる、隠れる、必要なときだけ戦うという判断が常に求められる。
第二に、メトロイドヴァニア的なマップ構造だ。最初はアクセスできない扉や通路が多く、特定の道具(懐中電灯、クロウバー、クランクハンドルなど)やキーアイテムを手に入れることで徐々に探索範囲が広がる。一度訪れた場所を後から再訪し、新しいルートを開く体験が核になっている。
第三に、雰囲気の作り込みだ。インクを掻きつけたようなアートスタイル、霧と闇に包まれた町並み、ラジオから流れる不穏な放送。Silent HillやResident Evil、Twin Peaksの影響を感じさせるが、独自の空気感を持っている。
プレイ時間はメインストーリーでおおよそ10〜15時間程度。全コレクトや全エンディングを目指すとさらに長くなる。難易度は「クラシックなサバイバルホラー」寄りで、慣れていないプレイヤーには序盤から手強いと感じる場面もあるだろう。

基本システムと序盤で知っておくべきこと
セーブシステムと資源管理
セーブは主に電話ボックスや特定のセーフルームで行う。セーブにはコインが必要な場合があるので、見つけたコインは無駄に使わないように注意したい。セーブポイントを見つけたら、状況が悪化する前に必ず記録しておく習慣をつけよう。
インベントリは非常に限られている。序盤から容量不足に悩まされるため、ヒップポーチなどのアップグレードを優先的に探すのが重要だ。不要なアイテムはストレージボックスに預け、必要なものだけを持ち歩く。回復アイテムと弾薬のバランスを常に意識すること。
懐中電灯のバッテリー管理も見逃せない。暗い場所では必須だが、無闇に点灯し続けるとすぐに切れる。必要なときだけ使い、暗い廊下を通過する際は事前にルートを確認しておくとよい。
戦闘の基本方針
戦闘は決して得意ではない。照準は固定されにくく、リロードも遅い。近接武器は弾薬を消費しないが、接触ダメージのリスクが高い。
基本は「逃げる」「遠ざける」「必要なときだけ倒す」だ。特に序盤は弾薬を温存し、ボス戦や行き止まりでしか使わないくらいの心構えでいい。敵の動きを観察し、攻撃の合間に近接で削る、あるいは後ろから迂回する。
一部の敵は特定の弱点を持つ。頭部やコア部分を狙うとダメージが通りやすいものもある。ボス戦ではパターンを覚え、攻撃後の硬直を狙うのが定石だ。
カメラとメモシステム
ゲーム内にはカメラ機能があり、手がかりを撮影できる。写真は後で確認できるので、怪しいメモやコードが書かれた場所は積極的に撮影しておくとよい。また、メモや書類はストーリー理解とパズル解決の両方に直結する。見落とさないよう、部屋を入ったらまず机や棚を調べる癖をつけよう。
推奨進行ルート(エリア別)
シルバーパインズは厳密なチャプター制ではないが、進行に必要な道具が段階的に手に入るため、ある程度の順序が存在する。以下に標準的な推奨ルートを示す。
1. 郊外とクリムゾン・ベア・モーテル(序盤)
ゲーム開始直後はダイナー周辺から始まる。まずダイナー内部を徹底的に調べ、使えるアイテムを回収する。車のトランクからエディの資料とカメラを入手。その後、クリムゾン・ベア・モーテルへ向かう。
モーテルではチェックインキーを使い、各部屋を探索する。プール周辺やBB銃の射撃場、ヒップポーチのアップグレードなど、序盤の重要なアイテムが集中している。ジェネラルストアのカレンダーパズルを解き、ミートロッカーを開けて先へ進む。
このエリアをクリアするとフェリーオフィスキーが手に入り、フェリーで町本体へ移動できる。トンネルでのボス戦があるので、弾薬と回復をある程度確保してから挑むこと。
2. ダウンタウン(中核ハブ)
フェリーで到着後、ダウンタウンが探索の中心になる。ケーブルカーステーションに到達すると、「ケーブルカーを動かすには五つの鐘が必要」という大きな目標が提示される。ここでリバーサイドブリッジキーを入手し、次のエリアへの道を開く。
ダウンタウンではカフェの鳥かごパズルや各種コードロックが登場する。セーブポイントを確保しつつ、周辺を丁寧に探索しよう。
3. リバーサイドと保安官事務所
リバーサイドでは懐中電灯を入手できる。これが後の暗いエリア進行に必須だ。保安官事務所ではクロウバーとケーブルステーションベル(A)を入手。クロウバーは以降の多くの扉や板張りを破壊できる重要な道具になる。
保安官事務所内部は複数のパズルと敵配置がある。プロジェクターパズルやセーフのコード、地下室の探索を慎重に進める。ボス戦もあるので準備を怠らないこと。
4. ユニオン・アパートメント
ダウンタウンの映画館経由でアクセス可能。ケーブルステーションベル(D)を入手できる。アパート内部は縦に広がる構造で、部屋ごとの探索が必要。ボス戦もあり、スパイク攻撃に注意しながら立ち回る。
5. タウンスクエアと教会の丘
クロウバーで開けるエリア。像公園では三つの仮面を正しい像に装着することでベル(F)を入手できる。タウンホール内部も探索し、必要なマスクやアイテムを集める。
教会の丘ではクランクハンドルやベル(B)が手に入る。教会内部のボス戦はパターンが複雑なので、十分な弾薬と回復を用意して挑む。
6. 下水道
ベル(E)が隠されている。クロウバーで入れるようになった後に挑戦するとよい。狭い通路と敵の密集に注意。
7. ケーブルカーとマウント・サイア・コパ
五つのベル(A・B・D・E・F)を全て集め、ケーブルカーステーションで正しい順序(プラークに示された順)で鳴らす。これでケーブルカーが稼働し、山岳エリアへ進める。
山岳エリアとセレンド放送局が終盤の舞台となる。最終的な調査とボス戦が待っている。
主要パズルとコードのヒント
シルバーパインズのパズルは「手がかりをよく読む」ことが基本だ。多くのコードは近くのメモや掲示板、カレンダーにヒントがある。以下に代表的なものを挙げる(正確な数字はセーブデータや進行状況で変わる場合があるため、必ず自分で確認すること)。
- ダイナーのキッチンコード:日替わりメニューの価格の末尾の数字を組み合わせる。
- 薬局のセーフ:ヒューズボックス近くのメモから四桁コードを読み取る。
- ジェネラルストアのミートロッカー:カレンダーの日付に特定の数字を加算する。
- 保安官事務所の証拠ロッカー:デスクのラジオを壁のチャートに合わせて周波数を合わせる(例として104.6などが報告されている)。
- セーフの組み合わせ:部屋の絵画の裏やレジの下、祭壇の十字架などに書かれていることが多い。
パズルで行き詰まったら、一度そのエリアを離れ、他の場所を探索してから戻ると新しい手がかりが見つかることがある。カメラで撮影した写真を見返すのも有効だ。
ボス戦の基本対策
ボスはエリアの節目ごとに登場する。共通して言えるのは「動き続け、攻撃後の隙を突く」ことだ。
- トンネルボス:天井から落ちてくる。落ちてくる予兆(瓦礫など)を見て回避し、着地後に攻撃する。召喚される影のような敵は近接で処理。
- 保安官事務所の副保安官:犬を呼び出す。先に犬を片付けてから本体に集中。
- ユニオン・アパートメントのボス:地面からスパイクが出る。立ち止まるな。本体が姿を現した瞬間に攻撃。
- 教会ボス:パターンが多め。距離を取りつつ、重い武器を温存。
- 下水道ボス:攻撃性が高い。距離を保ち、無理に接近しない。
ボス前には必ずセーブし、弾薬と回復を確認する。無理にクリアしようとせず、準備が整うまで周辺を探索して資源を集めるのも一手だ。
エンディング分岐について
シルバーパインズには主に三つのエンディングがある(Leave、Live、Rest)。最終的な選択と、それまでに集めたコレクトアイテムによって分岐する。
- Leaveエンディング:エディ・ベルベットを殺す選択をする。特別な条件はなく、最も簡単に到達できる。
- Liveエンディング:エディを生かし、全てのメメント(報告によると25個)を集めて焼却炉で燃やす。
- Restエンディング:より条件が厳しい。二つのゴールドリングを入手し、特定の隠しルートを通って秘密ボスを倒す必要がある。ゴールドリングの一つは序盤のダイナーで見つかるリングボックスを、五つのゴールドスターで開けることで入手可能。もう一つは特定の選択後に手に入る。
全エンディングを一つのセーブで見ることは可能だが、最終選択前にセーブを残しておくのがおすすめだ。メメントやスターは見逃しやすいので、マップを隈なく探索する習慣が重要になる。
資源とアップグレードの優先順位
- インベントリ拡張:ヒップポーチやサッチェルを優先。序盤から容量不足に苦しむため、見つけ次第拾う。
- 武器アップグレード:リボルバーのダブルアクション機構など、射撃性能を上げるパーツは早めに入手したい。
- 近接武器:クロウバーやファイアアックスは扉破壊と戦闘の両方で活躍する。
- 回復と弾薬:ハーブや包帯は無駄に使わず、ボス前に備える。弾薬も同様。
ストレージボックスを活用し、持ち歩くものを厳選する。探索中に「今は必要ないが後で使えそう」なアイテムはボックスに預け、定期的に整理しよう。
よくある詰まりポイントと対処法
- 次にどこへ行けばいいかわからない:マップを開き、鍵のかかった扉や未探索のエリアを確認する。新しく手に入れた道具(クロウバーなど)は、以前通れなかった場所を再訪する合図だ。
- コードがわからない:近くのメモや掲示板、カレンダーを再度確認。カメラで撮影した写真を見直す。
- 弾薬が足りない:敵を避けて進む。不要な戦闘を減らし、セーブポイント近くで資源を補給する。
- 暗い場所で進めない:懐中電灯のバッテリーを確認。必要なら周辺でバッテリーや発電機を探す。
行き詰まったときは、一度セーブしてから別のエリアを探索し、新しいアイテムを手に入れてから戻るのが効果的だ。
プレイを楽しむための心構え
シルバーパインズは「効率よくクリアする」ゲームというより、「町の空気を感じながら、手がかりを一つずつ集めていく」ゲームだ。焦って先に進もうとすると、重要なアイテムやメモを見落とす。部屋に入ったらまず周囲を観察し、机の上や棚、床に落ちた紙切れまで丁寧に調べる。
敵との遭遇も、必ずしも倒さなければならないわけではない。逃げるルートを常に意識し、無理な戦闘を避ける。資源が潤沢になるのは終盤に近いので、序盤から中盤は「生き残る」ことを最優先にしよう。
ストーリーは断片的に語られる。メモやラジオ放送、NPCの会話を集めることで、町の歴史とエディの運命が少しずつ明らかになる。表面的なホラーだけでなく、探偵としての調査の面白さも味わえる作品だ。
まとめ
シルバーパインズは、クラシックなサバイバルホラーの緊張感と、メトロイドヴァニア的な探索の醍醐味を高いレベルで融合させた作品である。資源の厳しさ、謎解きの丁寧さ、雰囲気の濃密さが魅力だ。
本ガイドで紹介した推奨ルートと基本的な心構えを参考にすれば、初めてのプレイヤーでも大きく迷うことなく進められるはずだ。ただし、全てのコードや正確な数字はセーブデータや進行状況で変わる場合がある。必ず自分の目で手がかりを確認しながら進めてほしい。
霧に包まれた町で、探偵は真実を追い求める。あなたの選択が、最終的な結末を決める。慎重に、しかし好奇心を持って、シルバーパインズを探索してほしい。

