霧が街を覆い、静けさが恐怖を増幅させる。2026年9月24日にPlayStation 5とPC(Steam / Epic Games Store)で発売された『SILENT HILL: Townfall(サイレントヒル タウンフォール)』は、シリーズ初のフルレングス作品として一人称視点を採用したサイコロジカルホラーだ。開発はスコットランドのScreen Burn Interactive、共同パブリッシングはAnnapurna InteractiveとKONAMI。舞台は1990年代の架空のスコットランド孤島・セントアメリア。灰色の海に流された主人公サイモン・オーデルが、人の気配のない町で「状況を正す」という曖昧な使命を抱え、過去と向き合う物語である。
従来のサイレントヒルシリーズが持つ心理的恐怖、環境の異変、断片的な物語の再構築といった魅力を継承しつつ、CRTV(ポケットテレビ)を軸にした探索・ステルス・謎解きが新たに加わった。戦闘は避けられる場面が多く、資源管理と状況判断が生存の鍵となる。クリア時間は初回で6〜10時間程度が目安だが、収集やエンディング回収を意識するとさらに伸びる。
この記事では、ゲームの全体像から基本システム、ステルスと戦闘のコツ、CRTVの活用法、序盤の具体的な進行、武器・回復の扱い、全5種類のエンディング分岐条件、New Game+の追加要素まで、実際にプレイして役立つ情報を網羅的にまとめた。ネタバレを最小限に抑えつつ、迷ったときにすぐ参照できる実用的な内容を心がけている。霧の中で立ち往生しないための一助になれば幸いだ。
ゲームの基本情報と世界観の理解
『SILENT HILL: Townfall』は1996年のセントアメリアを舞台にする。冷たい海に浮かぶ小さな島の町は、深い霧に包まれ、住民の姿が消えている。サイモンは医療用リストバンドと輸液バッグ以外の所持品もなく、漂着した状態で目覚める。CRTVから聞こえる声(ゾーイやリチャード)を頼りに町を探索し、自身と町との繋がりを少しずつ明らかにしていく。
一人称視点が採用されたことで、視界の制限と近接感が強調される。霧や建物が視線を遮り、後方や側面の脅威は音やCRTVで察知するしかない。これがステルスと探索の緊張感を高めている。サウンドデザインも秀逸で、軋む音、歪んだ信号、遠くの呻き声が環境に溶け込み、プレイヤーの行動に応じて動的に変化する。作曲はPilotpriestが担当し、緊張と解放の緩急を上手く演出している。
物語は複数のパートに分かれ、操作キャラクターが切り替わる場面もある。主にサイモンを操作するが、ゾーイ視点や他のキャラクターのエピソードも挿入され、町の過去や個人の事情が多角的に描かれる。マルチエンディング構造で、プレイヤーの行動(発見物の回収数と敵の撃破数のバランス)が結末に影響を与える。シリーズ伝統の「真実は一つではない」という余韻を、現代的なシステムで再解釈した作品だ。
難易度は標準的に設計されており、探索重視のプレイヤーでもクリア可能。ただし弾薬は貴重で、近接武器には耐久値がある。無闇に戦うと後半で苦しくなるため、「戦うか、避けるか」の判断が常に求められる。
攻略の基本方針:ステルスを優先し、資源を温存する
本作の最大の特徴は、敵との遭遇を戦闘一辺倒で処理しない点にある。多くの場面で遮蔽物に隠れ、音で誘導し、通り過ぎることが可能だ。近接武器(木材、鉄パイプなど)は攻撃やガードで耐久が減り、壊れると手元から消える。銃器(ピストル、フレアガン、ショットガン)は弾薬が限られ、発砲音が周囲の敵を引き寄せるリスクもある。
初心者がまず意識すべきは次の点だ。
- 敵を見つけたら即座に攻撃せず、周囲に隠れ場所や別ルートがないか確認する。
- 遮蔽物(壁、車、柵、建物)を積極的に利用し、敵の視界から外れる。
- 瓶やレンガなどの投擲物、ラジオなどの音源を使って敵を別方向へ誘導する。
- 屋内では内側から施錠できる扉(トイレやオフィスなど)を活用し、追われたら閉じ込めてやり過ごす。
CRTVを常に携帯し、曲がり角や視界の悪い場所の手前で信号を確認する習慣をつけると、不意打ちを大幅に減らせる。敵の位置をシルエットで把握し、タイミングを見て移動するのが基本だ。逃げ道のない狭い室内や、目的のアイテムが敵正面にある場合、複数体を振り切れない場合など、戦闘が避けられない状況では近接で素早く処理するか、銃を慎重に使う。
回復アイテムは比較的豊富だが、ガーゼとアルコールを組み合わせて滅菌ガーゼを作ると回復量が上がる。空のIVバッグにIV液を入れて装備すれば、致死ダメージ時に自動蘇生できる(後に抗生物質を加えると全回復蘇生になる)。弾薬より回復を優先して探索する意識が、安定した進行につながる。

CRTV(ポケットテレビ)の完全活用法
シリーズ定番のラジオが進化したのがCRTVだ。周囲に漂う不安定なアナログ信号をチューニングすることで、以下の情報を得られる。
- 敵の位置確認:近くにクリーチャーがいると対応する信号が現れ、壁や霧越しにシルエットを映し出す。チャンネルを切り替えて複数体を個別に確認できる。
- 探索の手掛かり:映像から次に向かう場所や物体のヒントが表示される。地名が直接出るわけではなく、建物や道の特徴から推測する必要がある。
- 謎解きのヒント:特定の信号がパズルの解答に直結するケースが多い。映像や音声をメモ代わりに活用する。
- 物語の断片:町の過去やキャラクターの事情を知る重要な手段。攻略に直結しなくても、世界観を深めるために拾っておく価値がある。
使い方のコツは、敵の気配(うめき声や物音)を感じたらすぐにCRTVを掲げ、信号を探すこと。進行が止まったら周囲を再探索し、未受信の信号がないか確認する。PS5版ではモーションセンサーでCRTVを傾けて弱い信号を微調整する操作もあるが、設定で無効化可能だ。信号を保存しておけば後で見返せるので、重要なものは積極的に登録しよう。
CRTVは単なるレーダーではなく、物語と密接に結びついたツールである。受信した内容を周囲の環境やメモと照らし合わせることで、謎が自然に解けていく感覚が本作の醍醐味の一つだ。
序盤攻略のポイント(パート1「到着」を中心に)
序盤はチュートリアル的な要素が強く、システムに慣れる時間として最適だ。桟橋で目覚めたら階段を上がり、鍵のかかった門を迂回して梯子で町へ入る。ショアフロント地区に到着すると地図を入手でき、電話ボックスが鳴る。
電話ボックスでは「900」(緊急)、「010」(交換手)、「100」(セーブ)を確認できる。「100」は各地の電話でセーブに使う重要な番号なので、必ず登録しておく。他の電話番号も見つけ次第かけておくと、収集や物語の理解に役立つ。
CRTVを入手した後は、異世界エリアでの最初の謎解きが待っている。扉のダイヤルは上段「18」、中央「1月」、下段「1996」に合わせる。ヒントはルームサービスカードとCRTVの信号から得られる。このあたりで基本操作と信号の拾い方をしっかり身につけよう。
ゾーイの家では電源復旧と臓器運搬箱の謎解きがある。プリペイド電力カードをパネルに差し込み、表示を切り替えて主電源を入れる。臓器箱のコードは normalmente左「956」、右「133」(メールと移植カードがヒント)。ここで入手するゾーイのストラップは診療所の扉を開ける鍵になる。
診療所では受付の暗証番号「2896」など、周辺のメモやメールを丁寧に読むことが重要。薬局ではメスで扉をこじ開け、CRTVの色調整謎も登場する。序盤から「一つだけの手掛かりで決めつけず、複数の情報を組み合わせる」習慣をつけると、後半の複雑なパズルで苦しまなくなる。
収集物(ドキュメント、手がかり、奇妙なハガキ)はエンディング分岐に直接影響する「発見」にカウントされる。初回は無理に全回収を目指さず、進行に必要なものを優先しつつ、余裕があれば拾うスタンスがおすすめだ。
武器と戦闘の詳細
武器は大きく近接、投擲、銃器に分かれる。
近接は各地で拾える木材や鉄パイプが基本。耐久を意識し、必要な戦闘だけに使う。投擲の瓶・レンガは誘導や牽制に便利。
銃器はストーリー進行で入手する。ピストルは中盤、フレアガンはロッカーから、ショットガンは後半。フレアガンは大型の敵を一時的にひるませるのに特に有効で、倒せずとも突破の手段になる。New Game+では斧(強力な近接)やピストル3000(一撃必殺級)が解禁される。
戦闘の鉄則は「正面から挑まない」こと。ガードは可能だが、複数体相手では不利になりやすい。音で誘導して分断し、単独を処理する。終盤の大型敵はフレアでひるませて通過するか、距離を取りながら対処する。ラスボス戦ではフレアとショットガンの組み合わせが安定しやすい。
弾薬は特に貴重なので、避けられる敵は避ける。撃破数がエンディングに影響するため、狙う結末によって戦闘の積極性を調整する必要がある。
全エンディング分岐条件と回収方法
本作には5種類のエンディングがある。「正義」「永遠」「放棄」は通常周回で到達可能で、「発見(手がかりとドキュメントの合計)」と「敵撃破数」の比較で決まる。正確な閾値は非公開だが、コミュニティの検証から以下の目安が有効だ。
- 正義(グッド寄り):発見数が撃破数より大幅に多い(例:発見80前後、撃破50前後でも可能。差を20以上意識)。敵をできるだけ避け、収集を優先。
- 永遠(ノーマル寄り):発見が撃破よりわずかに多い。終盤で差を縮める調整が必要。
- 放棄(バッド寄り):撃破数が発見を上回る。積極的に敵を倒し、任意収集を減らす。
「犬」と「サイファイ」はNew Game+限定の特殊エンディングで、特定のアイテム収集で通常の分岐を上書きする。
犬エンディングは3枚のコイン(銅・銀・金)をそれぞれ対応する盲導犬型の募金箱に入れる。銅はパート1のビデオスター、銀はパート4の裏庭、金はパート6の特定部屋から入手。すべて入れた状態でラスボスを倒すと発動。
サイファイエンディングは3冊の奇妙な本と奇妙なアクセスカードを集め、終盤の装置で使用する。これを達成すると特殊な結末になり、条件を満たせばラスボスをスキップできる場合もある。
効率的に全エンディングを見るなら、初回は正義を意識して収集多め・戦闘控えめに進め、チャプター15終盤でセーブを残す。そこから撃破数を増やして放棄を確認したり、差を調整して永遠を狙う。その後New Game+で犬とサイファイを回収するのが最短ルートだ。セーブを上手く活用すれば、2周前後で全種類を見られる。
New Game+とやり込み要素
New Game+では前回の装備や収集状況の一部が引き継がれ、隠し武器や特殊エンディング用アイテムが出現する。犬用コインや奇妙な本・アクセスカードはNG+専用だ。トロフィーには周回数や撃破数を要求するものもあるため、複数周が前提の要素も存在する。
取り返しのつかない要素は比較的少ないが、エンディングに影響する発見と撃破は周回ごとにリセットされるため、狙う結末に合わせてプレイスタイルを変える必要がある。奇妙なハガキや電話番号、CRTV信号の全回収もやり込みとして楽しい。
実践的なアドバイスと注意点
- セーブは電話で「100」をかけて行う。重要な分岐やボス前では必ずセーブを残す。
- マップを活用し、未探索の建物を優先的に調べる。
- 音に敏感になる。敵のうめきや足音は位置情報になる。
- 難易度設定がある場合は、初回は標準で進み、慣れたらハードに挑戦すると良い。
- ストーリーを楽しむなら、収集物を丁寧に読み、CRTVの映像を見逃さない。攻略を優先するなら必要最低限で進めても問題ないが、発見数はエンディングに直結するのでバランスを取る。
『SILENT HILL: Townfall』は、霧の中を歩く静かな緊張感と、断片が繋がっていく物語のカタルシスが魅力の作品だ。ステルスと資源管理を意識すれば、恐怖に飲み込まれすぎず、しっかりとクリアできる。CRTVを手に、サイモンの視点でセントアメリアの真実を探ってほしい。
クリア後はNew Game+で隠し要素を掘り下げたり、異なるエンディングを比較したりすると、町の奥深さがさらに感じられるはずだ。霧が晴れる瞬間を、自分の手で掴み取ってほしい。
このガイドが、あなたの探索の一助となれば幸いである。安全に、そして深く、町を歩いてほしい。


